2017年8月7日月曜日

アンマの病院(AIMS)の偉業の一例

 (ページ内にややショッキングな写真がございます。)

南インド、ケーララ州、コーチにあるアンマの病院、AIMSは、1998年以来、
革新的手法を主導する最先端の医療技術基盤を構築し続け、
450万人もの人々を無償で治療してきました。
その偉業の一例をご紹介させていただきます。

ケーララ州・パラッカッドの農園労働者の息子マニカンダンは、
【脳瘤】と呼ばれる稀な疾患をもって生まれました。

 マニカンダンの両親は、息子がいつ終わるとも知れない悲劇の日々を過ごすのを
見守っていました。

脳瘤とは、母親の子宮の中で胎児の頭蓋骨が閉じ切らない、先天性の稀な疾患で
す。この疾患では、頭蓋骨に開いた穴から、脳組織や髄液が袋状の突起物の中に
飛び出してしまいます。

多くの場合この疾患の患者たちは、幼児期を過ぎると、人前に顔を出すのを恥ず
かしがり、孤立した生活を送るようになります。
マニカンダンも例外ではありませんでした。今週の初めまで、
彼の鼻から握りこぶし大の振り子状の脳組織がぶら下がっていて、
それをからかわれるので、同年代の子供達と交わることを避けていました。
彼の視界は遮られ、鼻と顔とは歪んでいました。

しかし、アムリタ総合病院の10人の外科医からなるチームが、11時間におよぶ
手術を行って突起物をきれいに取り除き、そうした全てを一変させました。
アムリタ総合病院の形成外科診療部長のスブラマニヤ・イエル医師は、手術の過
程を次のように説明しました。

「手術は複雑なものでした。マニカンダンの脳瘤はとても大きく、右目部分の骨
が外側に押し出されていました。手術のために頭蓋骨を開き、正常な脳を、顔か
ら袋状にぶら下がっている機能していない脳組織から分離しました。突起物の切
除の結果、頭蓋骨に欠損が残り、その部分の骨を再建する必要がありました。右
目の異常組織を取り除くために、両眼窩(眼球の収まる骨の窪み)の位置を変え、
鼻も再形成しました。これらはすべて、外科医療にとって極めて困難なものでし
た。マニカンダンは既に手術から完全に回復していて、退院できる状態になって
います。これで同年代の子供達と同じように学校に通い、あらゆる活動に参加で
きるようになるでしょう。」
アムリタ総合病院の医師たちがこの病院で働きたいと思ったのは、この病院が
大きな困難にも逃げずに取り組み、治療を必要としている患者たちが、病気の複
雑さや経済状況によらず、治療を受けられるからだ、と口々に言います。
1998年以来、アムリタ総合病院は、革新的手法を主導する最先端の医療技術基盤
を構築し続け、450万人もの人々を無償で治療してきました。

今回の手術については、マニカンダンは州政府の扶助の対象となり、
その給付金によって、この長く困難な手術の費用が賄われました。
マニカンダンの手術にあたった医療チームは、小児脳神経外科医、頭蓋顎顔面外
科医、及び形成外科医を、麻酔科医、小児神経ICU(集中治療室)の看護師団が
支援するという構成でした。スブラマニヤン・イエル医師、スハス・ウダヤナラ
ヤナン医師、プラモッド・スバシュ医師が、このチームを主導しました。
マニカンダンの父親であるセルバンさんは次のように語りました。
「私達はマラサル族の一員で、農園で働いています。
子供が5人いて、皆健常で健康なのですが、マニカンダンだけは鼻にコブを持って生まれ、
それが大きくなる一方でした。顔にある大きな奇形のせいで、学校に行ったことも、
人と交わったこともありませんでした。人からよくからかわれたからです。
手術が終わってマニカンダンは、早く家に帰って学校に通い、友達を作りたいと、
しきりに言っています。マニカンダンが普通の生活を送れるようにしてくださって、

アムリタ病院の先生たちに心の底から感謝しています。」